3Dプリンターとは?話題のプラスチック加工方法について解説
3Dプリンターは比較的新しい造形方法ですが、その応用力の高さからさまざまな分野で活用が広がりました。
プラスチック加工においても少量生産に適していることや複雑な造形に対応していることから普及が進んでいます。
今回の記事では3Dプリンターについての基本的な知識や活用事例についてわかりやすく解説します。
3Dプリンターとは
3Dプリンターは3DモデルやCADなどの3次元デジタルデータをもとに立体物を作る装置です。
材料を削って造形する切削(せっさく)加工とは異なり、層を1段1段積み重ねる「積層造形」という手法で複雑な造形を実現しています。
プラスチック加工ではABS樹脂やPLA樹脂などの熱可塑性樹脂を使った造形が主流ですが3Dプリンターの技術はプラスチックだけにとどまりません。
金属やセラミック、セメントなどさまざまな材料に対応しており、日用品から工業製品まで幅広い用途で利用されています。
JAXAのH3ロケット開発では3Dプリンターで部品の一部を製造しコスト削減を実現したことで話題になりました。
3Dプリンターのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
1. 複雑な形状の製作が可能 | 1. 大量生産には不向き |
2. 少量生産に適している | 2. 高品質な製品には後処理が必要 |
3. 製造工程の短縮 | 3. 材料コストが比較的高い |
4. カスタマイズが容易 | 4. 大きなサイズの製品製作に制限がある |
5. 廃棄物が少ない |
3Dプリンターで扱える素材
3Dプリンターで扱える素材には以下のようなものがあります。
・ABS樹脂
・PLA樹脂
・ポリプロピレン
・ナイロン
・金属
・セメント
3Dプリンターで扱える素材はプラスチックから金属まで幅広いです。
プラスチック加工以外にも金属3Dプリンターで部品を制作したり、特殊なセメントが使えるプリンターで家をつくるといった用途で利用されています。
プラスチック加工における3Dプリンターの活用事例
試作品の制作
試作品制作のように試行錯誤する用途に向いています。
3Dモデルを作りそれを3Dプリントしてチェック、問題点を修正して再プリントというサイクルを素早く回すことが可能です。
少数の量産やカスタマイズ
3Dプリンターの特性を活かことで、少量生産やカスタマイズ品の製造が簡単になります。
顧客の要望に合わせて量産したり、3Dモデルを修正することで多様なニーズへ柔軟にこたえられます。
複雑な形状の造形
積層造形により、プラスチック加工における形状の制約を大幅に緩和できます。
従来の射出成形や切削加工では難しかった複雑な形状や内部構造を持つ部品の製作も可能です。
たとえば中空構造や格子構造、一体成形を組み合わせることで軽量化や部品を結合し組み立て構造の簡略化などが期待できます。
生産終了した部品の制作
古い製品など部品が手に入らない時に3Dプリンターで代わりの部品を制作します。
3Dスキャナーで製品の3DモデルをPCに取り込み構造を細部まで解析しながら部品のモデルを製作するといった方法もあります。
3Dプリンターの将来
プラスチック加工分野以外にもJAXAのロケット部品や住宅、医療分野の3Dバイオプリンター、食分野の3Dフードプリンター、家庭用3Dプリンターなど3Dプリンターを取り巻くテクノロジーは日々進化を遂げています。
DXや無人化・省人化といった現代の問題解決にも期待されていることからますます研究が進んでいくと思われます。
まとめ
3Dプリンターについて解説しました。
応用力の高さから研究が進んでおり、医療や宇宙開発、住宅といった分野での活用も進んでいます。
プラスチック加工においては試作品や少量生産を中心に利用されている反面、素材コストが高く大量生産には向きません。
個人のDIY目的で3Dプリンターを購入している愛好家も多く、これからもますますの発展が期待されています。
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