お知らせ・
技術情報

MCナイロンとは?プラスチック加工素材の特性や活用事例を解説

みなさんはMCナイロンをご存じでしょうか?
MCナイロンは、ナイロンを改良した素材で、耐久性や機械的強度に優れたプラスチックです。
その特性を活かし歯車や軸受など、耐久性が求められる機械部品に多く使われています。

この記事では、MCナイロンの特徴や活用事例、ジュラコン(POM)との違いについて解説します。

MCナイロンとは?

MCナイロンは「モノマーキャストナイロン」のことで、一般的なナイロンである「6ナイロン」や「66ナイロン」とは区別されます。
普通のナイロンに比べて機械的強度耐摩耗性などに優れるため機械のギアなど耐久性が求められる場所で活躍しています。
高品質プラスチックであるエンジニアリングプラスチックの一種でもあります。

識別しやすい青い色の理由

日本のMCナイロンは特徴的な青い見た目でも有名です。この青は着色料によるもので本来は白っぽい色をしています。
当時、青いプラスチックがなかったので差別化のために着色を始めたというのが理由だそうです。

見た目でわかるようプラスチックの色を分けるのは珍しくなく、一般グレードは白、耐熱グレードは茶色のような割り当てがよくあります。

特徴

MCナイロンのメリット・デメリットは以下のようなものがあります。

メリット

1.機械的強度

圧縮や引っ張りなど物理的な外力に対する耐久力の高さを「機械的強度」といいます。MCナイロンは優れた機械的強度を持ちます。

2.耐熱性

高い耐熱性をもつエンジニアリングプラスチックです。

3.摩擦・摩耗特性

自己潤滑性があり摩擦係数が低く摩耗にも強いため、軸受や歯車などの摺動(しゅうどう)部材として適しています。

4.耐薬品性

多くの薬品や油に対して耐性があります。しかし、酸や一部アルカリには弱いので注意が必要です。

デメリット

1.寸法安定性

吸水性、吸湿性があるため湿度の高い環境では膨張し寸法が変化します。
そのため、精密な寸法管理の必要な部品や屋外での長期使用に向きません。

2.高コスト

よく競合となるジュラコン(POM)に比べると値段が高いです。

ジュラコンとの違い

ジュラコン(POM)はMCナイロンとよく比較される素材です。
MCナイロンの方が強度が高いので負荷のかかる部品や大型の加工に向いていますが、寸法安定性はジュラコンの方が高く精密な部品にはジュラコンが向いています。

ジュラコンとMCナイロンの比較は以下となります。

  強み 弱み
ジュラコン

機械的強度
寸法安定性
低コスト

燃えやすい
耐候性が低い
接着しづらい
MCナイロン 高い機械的強度
耐久性
耐熱性
吸水性があり寸法安定性が低い
高コスト

活用事例

機械部品(歯車、軸受)

高い機械的強度を活かし、歯車や軸受のような連続した負荷のかかる用途で利用されます。
自己潤滑性があり、摩擦係数が低いです。

車輪

フォークリフトや工場の搬送車両のキャスターとして使用され、静音性と耐摩耗性を兼ね備えています

パイプ

配管のパイプには耐久性の高いMCナイロンが使われることも多いです。
食品製造ラインや化学工場の配管で使用されることがあり、耐薬品性と耐摩耗性が求められる環境で活躍
耐熱性もあるので高温になる場所でも利用可能です。

自動車部品

自動車産業では軽量化のため、機械部品のプラスチックへの置き換えが進んでいますが、高耐久・絶縁性をもつMCナイロンはこの用途にピッタリです。
エンジンルームの耐熱部品や、電気自動車のバッテリー周りの絶縁部品として採用されています。

まとめ

ナイロンをパワーアップさせたエンジニアリングプラスチック「MCナイロン」について解説しました。
MCナイロンは、耐摩耗性・機械的強度・自己潤滑性に優れたプラスチックであり、歯車や軸受といった機械部品をはじめ、車輪や自動車部品など幅広い分野で活用されています。
一方で、吸水性による寸法変化やコストの高さには注意が必要です。
用途に応じてジュラコンや他の樹脂素材と適切に使い分けることが重要です。

プラスチック素材についてもっと知りたいひとは以下の記事も参考にしてみてください

プラスチック加工の依頼時に役立つ!すぐわかる!プラスチック素材のまとめ
ジュラコン(POM)とは?プラスチック加工素材の特性や活用事例を解説!