NC旋盤とは？プラスチック加工の頼れる味方！
皆さんはNC旋盤という工作機械をご存知でしょうか？
NC旋盤は、プラスチック加工において欠かせない機械の1つで、複雑な形状の部品を高精度で削り出すことができます。
今回の記事ではそんなプラスチック加工の頼れる味方であるNC旋盤について初心者にもわかりやすく解説します。
NC旋盤とは？どんな機械？
NC旋盤は、数値制御装置（Numerical Control装置）を搭載した旋盤のことで、プログラムによって機械の動きを制御できます。
旋盤とは「旋回する盤」の名前のとおり、主軸に加工する素材を設置し高速で回転させ、そこにバイトと呼ばれる刃やドリルを当てることで表面を削る機械です。
この旋盤をNC制御することによってプログラム通りの動きが可能となり、高精度の加工や自動化、安定した品質といったメリットを得られます。
プログラムで動くコンピューター制御の旋盤をとくにCNC旋盤と呼ぶこともありますが、現在ではCNC旋盤が主流なので単にNC旋盤といった場合CNC旋盤を指すことがほとんどです。
旋盤を使った加工は古くからあり、プラスチック加工だけでなく金属加工や木材加工でも広く利用されています。
NC旋盤でできること
NC旋盤は、プラスチック加工においてさまざまな用途に活用されています。具体的には、以下のような加工が可能です。
- 外径加工: 棒状の材料の外側を削る加工
- 内径加工: 棒状の材料の内側を削る加工
- 端面加工: 材料の端を平らにする加工
- ねじ切り加工: ねじの溝やねじ穴（おねじ、めねじ）を作る加工
- 溝加工: 溝を入れる加工
- 穴加工: 穴を開ける加工
- テーパー加工: 円錐形状にする加工
プラスチック加工におけるNC旋盤のメリット・デメリット
NC旋盤は、プラスチック加工において以下のようなメリットがあります。
| メリット | |
|---|---|
| 高精度・高品質な加工が可能 | NC装置による制御により、複雑な形状や高精度な加工を実現 |
| 生産性の向上 | 自動化により、生産性を大幅に向上させることが可能 |
| 安全性向上 | 人による操作が少なくなるため、作業中のけがのリスクを軽減 |
| 時間短縮 | 加工時間を短縮できるため、短納期での製品納入が可能に |
| デメリット | |
|---|---|
| 初期導入コストが高い | NC旋盤は従来の旋盤に比べると高価 |
| プログラミングスキルが必要 | 思い通りの加工には、プログラミングスキルが必要 |
| メンテナンスコスト | 精密機械のため、定期的なメンテナンスが必要 |
NC旋盤の活用事例
NC旋盤で作る部品は、ギア、ベアリング、モーター部品、ネジ、人工関節など多種多様です。
回転する素材を削るという性質から対称形や円形、段差のあるものが作りやすいです。
まずは旋盤で基本的な形をつくって、そこからさらに別の機械による加工をすることもあります。
こうした加工品は自動車部品や家電部品、医療機器、工場設備といった分野で活用されています。
プラスチックの種類によって熱への耐性や硬さが違うので素材に合わせた加工が求められます。
・テクトでの加工事例はこちら
部品加工 旋盤
NC旋盤の最新トレンド
NC旋盤技術は常に進化しており、新たな活用法が日々研究されています。
最近のトレンドではIoTによる遠隔管理・遠隔操作、AIを活用した最適な条件の割り出し、省エネで環境にやさしい設計などがあります。
まとめ
今回はプラスチック加工において欠かせない機械の1つであるNC旋盤についてご紹介させていただきました。
数値制御による高精度・高品質による加工が可能なほか、自動化による生産性向上や安全性向上などさまざまなメリットがあります。
わたしたちの身の回りの家電や自動車にも旋盤による切削加工で作られた部品がたくさん使われています。
NC旋盤を使ったプラスチック加工品の製造を考えているならぜひ1度プロにご相談ください。