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プラスチックの曲げ加工とは?きれいに曲げるポイントと注意点

プレート曲げ機 Wegener BU-305

みなさんはプラスチックの「曲げ加工」をご存じでしょうか?
プラスチックというと、削り出しや金型を使い最初から目的の形に成形するイメージが強く、「わざわざ曲げる必要があるの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には、鉄や木材と同じように、プラスチックでも目的の形を作るために曲げ加工が広く使われています。

今回はそんな曲げ加工についてどんな加工なのか、きれいに曲げるポイントなどをご紹介します。

プラスチックの曲げ加工とは?

曲げ加工とは、言葉どおりプラスチックを”曲げて”目的の形状へと変形させる加工方法です。
金属ならプレス機で力をかけて曲げることができますが、プラスチックではそうはいきません。
そこで、プラスチックの持つ「熱可塑性」という熱によって柔らかくなる性質を利用し曲げるのが一般的です。

素材の曲げたい部分を加熱し柔らかくなったところで曲げる。想定通りの位置まで曲げたら冷却し固める。
こう書くと簡単に聞こえるかもしれませんが、素材や厚みによって変わる最適な温度を見つけたり、きれいに曲げるには職人の腕が重要となります。

プラスチックの曲げ加工にはどんな方法がある?

曲げ加工には、作りたい形状によっていくつかの方法があります。

代表的なのが、曲げたい部分を線状に加熱して折り曲げる方法です。板材からL字やコの字などを作る場合に利用されます。
一方、緩やかなカーブやR形状を作る場合には、より広い範囲を加熱し、型などに沿わせながら成形する方法があります。

製品によっては曲げ加工だけで形を作るのではなく、切削・溶接・接着など複数の加工方法を組み合わせます。
そのため、「どのように曲げるか」だけではなく、製品全体の構造を考えて加工方法を選ぶことが重要です。

塩ビ・PPの曲げ加工の特徴

塩ビ(PVC)の曲げ加工の特徴

塩ビは熱の影響を受けやすく、熱湯でも柔らかくなって変形してしまう事例があるほど耐熱温度が低い素材です。
少しの加熱ですぐに曲がって加工が簡単そうと思われるかもしれませんが、あっという間に変形が始まってしまうのできれいに仕上げるには技術が必要です。

PP(ポリプロピレン)の曲げ加工の特徴

PPは軽量で、塩ビと比較して耐薬品性や耐熱性に優れるため、工業設備や水処理設備などでよく利用されている素材です。
塩ビと比べて耐熱性が高いなど特性が大きく異なるので、温度管理には注意が必要です。
板に厚みがあると内部まで加熱しづらくなるので、均一に熱が通るように工夫が必要です。

プラスチックをきれいに曲げる5つのポイント

  1. 素材に合わせた加熱条件の調整
    塩ビ、PP、アクリルなど、プラスチックとひと口に言っても種類によって耐熱温度など特性は違います。まずは素材の特性を把握するのが重要です。

  2. 厚みを考慮する
    同じ素材であっても厚みが違えば内部まで熱が伝わる時間は変わります。厚みに合わせた加熱時間や方法を調整します。

  3. 加熱ムラを抑える
    曲げる部分の温度にムラがあると曲がり方にも差が出やすくなります。できる限り均一に加熱します。

  4. 型や治具を使って形を整える
    曲げ加工では、柔らかくなった材料を目的の角度やRに合わせて固定します。角度・形状などをそろえる必要がある場合には、型や治具を使い仕上げます。

  5. 冷えるまで形状を保持する
    曲げた直後のプラスチックはまだ温かく、形状が安定していません。冷えて十分に固まるまで形状を保持します。

よくある失敗例

曲げ加工の条件が適切でない場合、さまざまな不具合につながります。

  • ・曲げ部分にひびや亀裂が入る
  • ・曲げた部分が変形する
  • ・表面に加熱した跡が残る
  • ・狙った角度にならない
  • ・冷却後に角度が変化する

こうしたことが起きる原因は一つだけとは限りません。
加熱温度だけでなく、加熱する範囲や時間、板厚、曲げ角度など複数の条件を確認しながら加工することが重要です。

曲げ加工と溶接・接着を組み合わせることも

プラスチック製品は、ひとつの加工方法だけで完成するとは限りません。
切削加工で材料を削ってから曲げ、さらに部品を接着・溶着するなんてこともあります。
作る製品の形状や特性に合わせて柔軟に加工を組み合わせることが大切です。

接着・溶接については以下の記事で解説しています。
プラスチック加工の溶接と接着の違いとは?強度・気密性・仕上がりで比較

まとめ

プラスチックの曲げ加工について解説しました。
プラスチックの特性を利用し、加熱して柔らかくしてから目的の形状へと加工する曲げ加工は、素材や厚みに合わせた適切な調整をすることで高品質の加工を実現しています。
また、複雑な加工は曲げだけでなく切削や接着・溶接といった複数の加工を組み合わせることもあります。

「この形状は曲げ加工で作れるのか」「塩ビとPPのどちらが適しているのか」など、加工方法や素材選びに迷っている場合は、用途や使用環境も含めて加工会社に相談するとよいでしょう。

株式会社テクトでは、塩ビ・PPをはじめとした各種プラスチックの曲げ加工や溶接、接着、機械加工などに対応しています。
加工方法が決まっていない場合も、お気軽にご相談ください。

曲げ加工のほかにどんな加工があるのかなど、プラスチック加工の基礎知識を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
プラスチック加工の基礎知識まとめ