プラスチック加工素材の原料「ナフサ」とは?

私たちの身近にあるプラスチック製品。実はその多彩な製品はほとんどたった一つの原料からスタートしているのをご存知でしょうか?
「ナフサ」と呼ばれるこの原料は原油の精製過程で生まれる中間製品の一つで、多くのプラスチックがこのナフサから作られています。
今回の記事では、プラスチックになくてはならない「ナフサ」について解説します。
ナフサは「プラスチックの原液」

ナフサを一言で表すなら「石油から抽出される、プラスチックの素」です。
見た目は水のように無色透明な液体ですが、ガソリンに近い独特の臭気があります。
原油を加熱して蒸留する過程でガソリン、灯油、ナフサなどの成分に分けられます。
・ガソリン、灯油: 燃料として利用
・ナフサ(粗製ガソリン): プラスチック・合成ゴムなど合成樹脂の原料として利用
同じ石油から生まれる兄弟のようなものですが、ナフサは化学工業にとってなくてはならないものとなっています。
ナフサからプラスチック製品ができるまで
ナフサは、そのままではまだ「樹脂」ではありません。ここからさらに工程を経てプラスチックへと姿を変えます。
- 分解: ナフサを高温で分解し、エチレンやプロピレンといった「基礎原料」に。
- 重合: これらを繋ぎ合わせる(重合)ことで、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といった樹脂になります。
- ペレット化: 最後に粒状の「樹脂ペレット」になり、ようやく加工現場へ届きます。
このペレットが工場へと送られ、私たちが手に取るプラスチック製品へと更に加工されます。
日本ではナフサをどのくらい消費してるの?
2022年のデータによると輸入した原油から作られたナフサが1,419万キロリットル、ナフサ単独で輸入した量が2,220万キロリットル。合計 3,639万キロリットルが消費されました。 そのナフサから951万トンのプラスチックが製造されました。
2022年に日本で消費された原油は4億キロリットル(3億4千万トン)なので、これは原油消費の約3%に当たります。
割合で見ればわずか3%ですが、現代社会においてプラスチックが果たしている役割の大きさを考えれば、極めて重要な3%であると言えます。
(出典:プラスチック循環利用協会『プラスチックとリサイクル 8つの「?」』)
まとめ
今回の記事ではプラスチックの原料「ナフサ」について解説しました。石油精製の過程で生まれるこの中間製品は、現代社会の多様なプラスチックの元となっています。
ナフサから生まれるポリエチレンやポリプロピレンなどは、今や製品の部品から包装材まで、私たちの生活に欠かせません。
また、国内で製造するだけでなく、ナフサそのものも輸入されているという事実はナフサが単なる原油のおまけではなく、日本の製造業にとって非常に重要な存在であることを示しています。
参考リンク
輸入依存の高い原油やナフサは為替や世界情勢によって価格が大きく変動します。効率的なプラスチック製品開発を考えているなら以下の記事を参考にしてみてください。
・コストをかけずにプラスチック加工するには?コスト削減のための設計・素材の見直し方