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プラスチックの熱膨張とは?プラスチック加工の寸法ずれ・破損を防ぐ方法

プラスチックは一度固まると形が変わらないように見えますが、実は周囲の温度変化によって膨張したり、収縮したりしています

こうした熱膨張・熱収縮は、一定の温度下での利用では大きな問題になりにくいですが、温度変化の大きい環境では、部品の干渉や破損などのトラブルを招く原因となります。

今回の記事では、プラスチックの熱膨張の原因と、寸法ずれを防ぐための対策を解説します。

なぜ寸法ずれが起こるの?樹脂の熱膨張とは?

プラスチック加工における寸法ずれは、プラスチック(樹脂)の膨張によるものが多いです。
この現象は「熱膨張」とよばれ、プラスチックの温度が上がることで分子間の距離が広がるのが原因と言われています。

プラスチックの熱膨張率は、一般的に金属の10倍以上です。金属の感覚で設計してしまうと、温度変化で部品が干渉したり、ネジ部が破損するリスクが高まります。

このように、プラスチックは金属に比べると熱膨張の影響が大きく、設計時にとくに注意しなければなりません。

どうやって熱膨張を防ぐ?

熱膨張を防ぐには大きくわけて2つの方法があります。

  1. 熱膨張を考慮した設計をする
  2. 寸法変化しにくいプラスチックを使う

熱膨張を考慮した設計をする

プラスチックが温度によって変化するのは特性なので仕方のないことです。なので熱膨張しても問題ない設計で対応します。

たとえば金属部品の設計よりも大きめの「公差(許容範囲)」をとるネジ穴を長穴にする遊びを作るなど「逃げ」をつくることで伸縮時に発生する応力を外へ逃し破損や反りを防ぎます。

寸法変化しにくいプラスチックを使う

プラスチックの中には充填材などを使い寸法変化を少なく抑えた素材もあります。
ガラス繊維やカーボン繊維を混ぜたグレードなら熱膨張を大幅に抑えられます。

その他の寸法ずれの原因

寸法変化の原因は熱だけではありません。
湿度や加工時のひずみによって寸法が変わってしまうこともあります。
それらが原因の膨張を抑えるには低吸湿素材を使う、ひずみから力を逃す「アニール処理」を施すといった方法があります。

まとめ

プラスチックの熱膨張について解説しました。プラスチックは熱に反応しやすい性質もあり、温度変化によってさまざまな現象を引き起こします。
なかでも熱膨張による寸法変化はひび割れや反りなど大きな問題を引き起こす可能性があります

高精度のプラスチック製品を制作依頼する際は、ご自身の利用される環境をよく調べた上で熱膨張の影響を最小限に抑える設計が重要となります。

弊社では、製品の使用環境(想定温度など)をヒアリングした上での最適な素材選定や、熱膨張を逃がす設計のご提案も可能です。「図面段階で不安がある」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。