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プラスチック加工素材|ポリマー?樹脂?プラスチック?3つの用語の違いは?

私たちの身の回りにはペットボトルから自動車部品まで多種多様なプラスチック製品があふれています。
そんなプラスチックについて調べると「ポリマー」「樹脂」「プラスチック」の3つの用語をよく見ることに気が付きます。
似たような意味を持つ用語ですが、いったいどのように使い分けられているのでしょうか?
今回の記事ではこの3つの用語について解説します。

「ポリマー」「樹脂」「プラスチック」とは?

ポリマー(Polymer):もっとも広い化学的な概念

ポリマーは「モノマー」と呼ばれる小さな分子が多数結合した「高分子物質」と呼ばれる化合物です。

もっとも広い概念で、高分子であれば、人工物であるプラスチックやゴム、接着剤、塗料だけでなく、天然のもの(セルロース、天然ゴムなど)もすべてポリマーに含まれます。

樹脂(Resin):原料・素材を指す専門用語

樹脂には大きくわけて「合成樹脂」と「天然樹脂」の2つがあります。
元々は天然の松ヤニや漆など樹液を固めたものを樹脂と呼んでいましたが、技術の発展により人工的に合成された高分子物質をつくれるようになったため前者と区別するために「合成樹脂」と呼ばれるようになりました。

日本ではJISにより「プラスチックの原料」と定義されています。

プラスチック(Plastic):製品・材料を指す一般的な名称

プラスチックは「熱を加えたり圧力をかけたりすると、自由に変形できる(可塑性/Plasticity)性質を持つ物質」の総称です。

日常生活においては、ほぼ「合成樹脂=プラスチック(※)」なので一般的には特に区別されず「樹脂」と呼ばれることも多いですが、JISの定義ではプラスチックは主に成形品のことを指します。

※実際には、合成樹脂を原料に使う接着剤などもあります。

境界はどこに?「樹脂」と「プラスチック」の使い分け

プラスチック業界の用語としてはJISで定まっており、樹脂は原料プラスチックは成形品となっています。

しかし、これはあくまでも業界の区分なので、日常生活で製品を樹脂と呼んだり、原料をプラスチックと呼んでも間違いではありません。

まとめ

「ポリマー」「樹脂」「プラスチック」の3つの用語について解説しました。
とくに混同しがちな「樹脂」「プラスチック」の2つはプラスチック業界おいてJISによりしっかりと使い分けのされている用語です。
日常生活では厳密な使い分けを意識する必要はありませんが、依頼を発注する際などにこうした知識があると、素材選びのスムーズ化や工程の誤解を防ぎやすくなるので便利です。