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「ルータ」とは?プラスチック加工で使われる工作機械

みなさんはプラスチック加工で使われる「ルータ(ルータ加工機)」をご存知でしょうか?
ルータというとインターネットに繋げるあの機械を連想する方も多いと思いますが、工作機械のルータは「くり抜き機」という意味で、材料のカットや溝掘りに使われています。

今回はプラスチックや木材加工で広く利用されている工作機械「ルータ」についてわかりやすく解説します。

ルータとは

現在ではプラスチックや金属などさまざまな種類の素材の加工で使われていますが、もともとは木材を加工するために開発されました。
エンドミルと呼ばれる切削工具を高速回転させて素材を削り、主に溝掘りやくり抜きのために利用されています。

いまではコンピューターによって数値制御をするCNCルータが主流となっており、プログラム組むことで複雑な形状であっても高精度の加工を行えます。

レーザー彫刻機(レーザーカッター)やマシニングセンターとの比較

ルータと似た加工をする工作機械にレーザー彫刻機(レーザーカッター)マシニングセンターがあります。
レーザー彫刻機は光や熱で加工するため刃の劣化や接触を気にしなくていい反面、光を反射するものや、木材などの熱に弱い素材には向きません。また、塩ビなど素材によっては有毒なガスが発生するものもあるので扱いには注意が必要です。
マシニングセンターは1台でさまざまな加工に対応し、精度も高精度ですが、テーブルサイズが小さく大きな素材の加工に向きません。

以下、ルータとレーザー彫刻機、マシニングセンターの長所・短所を表にまとめました

  長所 短所
ルータ 刃の交換によりいろんな加工ができる
溝掘の精度が高い
安価
大型の加工が可能
刃のメンテナンスが必要
削りかすが多い
レーザー彫刻機 非接触
細かい彫刻ができる
汚れが少ない

光を反射するものや熱に弱い素材に不向き
素材によっては煙やガスの発生(塩ビ等)
加工の種類が少ない

マシニングセンター 1台でさまざまな加工ができる
高精度
刃の交換の手間がないぶん加工が早い
高価
大きいサイズには対応していないものが多い

活用事例

看板・ディスプレイ

お店の顔となる看板・ディスプレイの加工にはルータが向いています。
切り文字くり抜き彫刻加工ができるので、複雑なデザインにも対応可能です。

部品加工

同じ形の部品を切り出し量産します。
素材にもよりますが、洋服などの大量生産の現場では何枚も素材を重ねまとめて加工することもあります。

間仕切り・パーティション

飛沫対策などで多くのパーティションが利用されましたが、こうしたパーティションの制作はルータの得意分野です。
オフィスや受付の大きさに合わせたサイズ調整や穴あけができるので空間にジャストフィットさせやすいのが大きなメリットです。
また、動物を形どりデザイン性を高めたりすることも可能です。

まとめ

工作機械のルータについてご紹介しました。
木材加工用として生まれ比較的古くからある工作機械ですが、その利便性の高さからプラスチック加工や金属加工、布製品の製造など素材・業界を選ばず活躍しています。
レーザー彫刻機やマシニングセンターなど似たような用途で使われる機械もありますが、ルータは加工できるサイズや素材の種類に強みがあり応用性が高いです。
また、3D加工に対応している機種であればさらに立体的な彫刻も可能です。

 

プラスチック加工で利用される他の工作機械については以下の記事をご参考にしてみてください。