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プラスチックってどうやって作られるの?原油からリサイクルまで

プラスチックは我々の生活になくてはならないものですが、みなさんはプラスチックがどこから来てどこに行くのかをご存じでしょうか
原油からできているのは知っていてもそれ以外はよくわからないという人も多いかと思います。
今回の記事ではプラスチックが生まれてからゴミとして処理されるまでの流れを簡単にご紹介します。

プラスチックの一生 〜原油からリサイクルまで〜

・原油の採掘

プラスチック製造の最初のステップは原油の採掘です。
原油は生物の死骸が長い時間をかけて変化したもので、地中深くから掘り出されます。

日本の場合、中東由来の原油がほとんどで、2021年はサウジアラビアから37.3%、アラブ首長国連邦(UAE)から36.4%とこの二カ国からの輸入だけで全体の8割近くとなっています

・精製工場で原油を精製

採掘された原油は精製工場へと運ばれ、熱や圧力による処理で複数の化学物質に分けられます。
原油からはLPガス、ガソリン、ナフサ、灯油、ジェット燃料、軽油、重油、アスファルトなどの成分が抽出されます。

この中のナフサがプラスチックの原料となる物質です。日本では原油重量の約3%がプラスチックの生産に利用されています。

・ナフサからレジンペレットを製造する

ナフサをさらに加工してエチレンやプロピレンといったプラスチックのもとになる素材(モノマー)を作ります。

次に、これらの素材を「ポリマー化」しポリエチレンやポリプロピレンへと変換します。
ポリマー(高分子)とはモノマーを数百個以上結合させたもので、この構造がプラスチックの性質に大きな影響を与えています。

さらに、ここに安定剤、難燃剤、透過剤、着色料などの添加剤を加え均一に混ぜて性質を改善します。
最後にレジンペレット(ペレット)と呼ばれる小さな粒状のプラスチック原材料へと加工します

・プラスチック加工

できあがったペレットはプラスチック加工工場に送られさまざまな製品へと加工されます

プラスチックの加工には射出成形ブロー成形押し出し成形などがあり用途に応じて使い分けます。
また、板や棒状のプラスチック材料として出荷しそこからさらに切削加工曲げ加工といった加工をすることも多いです。

・製品として私たちのもとへ

食品の包装や日用品、自動車部品、工場の設備など社会のいたるところでプラスチック製品は利用されています。

プラスチックの分類には、包装のようにすぐに捨てられてしまう「容器包装プラスチック」とバケツなど繰り返し利用される「製品プラスチック」があります。

・ゴミやリサイクルとして処理

使い終わったプラスチックはリサイクル熱回収(サーマルリサイクル)埋め立てといった処理が行われます。
日本の廃プラスチックの有効利用率(2021年)は87%で、21%がマテリアルリサイクル、4%がケミカルリサイクル、62%が熱回収(サーマルリサイクル)となっています。

熱回収は、廃プラスチックを燃料として燃焼させることでエネルギーを回収する方法です。 これはエネルギーリカバリーとも呼ばれ、リサイクルとは別のカテゴリで集計されることが多いです。

まとめ

プラスチックがどうやってできるのかについて簡単に解説させていただきました。
原油の採掘からゴミとして処理するまでの流れをなんとなくでも理解していただけたなら幸いです。