プラスチック加工素材 ポリアミドとは?特性や活用例を解説!
プラスチック加工で使われている素材について紹介します。今回紹介する素材はポリアミド(PA)です。
ポリアミドという名前にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ナイロンという名前には聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか?
ナイロンは衣類や調理器具としてよく利用されている非常に身近な素材です。
今回の記事ではこのポリアミドとは何か?メリットデメリット、活用事例などを紹介します。
ポリアミド(PA)とは
ポリアミドは一般的にはナイロンという名前で知られている素材です。
高い強度、耐摩耗性、耐熱性、柔軟性などをもつ高性能な素材で自動車を中心に衣類や、工業用途、電子機器、釣具など幅広く利用されています。
ポリアミドは1930年代にデュポン社が「ナイロン66」として発明しました。 第二次世界大戦中に軍事用途として広く用いられ、戦後は民生用として広く普及しました。
こうした利用の広まりにより、商業的に最初に成功した合成繊維とも呼ばれています。
ナイロンのメリット・デメリット
ナイロンのメリット・デメリットを紹介します。
ナイロンは種類が多く、よく利用されているものでもナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などがあります。
種類によって融点や性質が違うのでここでは代表的なものを紹介します。
メリット
・機械的強度
丈夫な素材で耐摩耗性など、変形や破壊に強く高い機械的強度をもちます。
こうした性質は機械部品に向いています。
・耐熱性
200℃を超える熱にも耐えられるものが多く、高い耐熱性をもちます。
・柔軟性
柔らかく弾力性があります。
・耐油性、耐薬品性
油や薬品に強いので、自動車のエンジンルームなどで利用されています。
デメリット
・吸水性
吸水性が高く湿度による性質の変化や寸法安定性の低下が起きるおそれがあります。
ただし、吸水性の高さはスポーツウェアなど汗を素早く吸収する目的ではメリットとなります。
・耐候性
紫外線に弱く、屋外での長期間の利用で色落ちや強度の低下などの劣化がおきる恐れがあります。
・帯電しやすい
静電気を発生しやすく帯電が起きます。
乾燥や摩擦に注意しましょう。
活用事例
自動車部品
耐熱性と耐薬品性に優れているためエンジンの熱や化学物質にさらされる自動車内部の部品として使用されています。
また、高い強度と軽量性から車体重量削減にも役立ちます。
衣類
軽くて強度が高いので衣類に適しています。
伸縮性や肌触りの良さ、速乾性などをもち高機能なのでスポーツ用品やアウトドア用品、ストッキングとしての利用も多いです。
電子機器
優れた絶縁性能と耐熱性を持つので、コネクターやスイッチといった電子機器の部品に使われています。
産業用ブラシ
工業用で使われるようなブラシには耐摩耗性や弾力性などが求められるため、ナイロンがよく利用されています。
まとめ
ナイロンの名称で有名なプラスチック素材「ポリアミド(PA)」についてご紹介しました。
耐熱性や耐薬品性などからとくに自動車業界での利用が多いほか、高い耐久性から産業用ブラシや衣類といった繊維としての活用も多いです。
そのほかのプラスチック素材について知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。