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プラスチック加工素材 ABS樹脂とは?特性や活用例を解説!

プラスチック素材の1つであるABS樹脂をご存知でしょうか?
ABS樹脂は汎用プラスチックではないもののバイクのヘルメットや家電製品、医療機器の素材としてわたしたちの身近で広く利用されている素材です。

今回の記事ではこのABS樹脂とは何か?メリットデメリット、活用事例について紹介します。

ABS樹脂とは?

ABS樹脂は「アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体」とも言います。
ポリスチレンとして利用されるスチレンアクリロニトリルブタジエンを合成することで高い耐衝撃性を獲得したプラスチックであり、エンジニアリングプラスチックの一種です。

高い耐衝撃性、強度、硬さを持ち合わせており身近なところではバイクのヘルメットやリモコンの素材として利用されています。

メリットとデメリット

メリット

耐衝撃性

ABS樹脂は耐衝撃性が高く非常に丈夫です。
そのため耐久性が重要な日用品の素材としてよく利用されています。

加工性の高さ

ABS樹脂は成形しやすく、複雑な形状の製品を作る際にも適しています。
射出成形や切削加工、溶着などいろいろな加工に向いています。
また、寸法安定性が良いのでサイズの変化が少ないのもメリットです。

良好な表面仕上げ

滑らかで美しい仕上がりが可能で、見た目にも高級感を出すことができます。
塗装がしやすいだけでなく滑らかな表面は清潔さを保つのにも有利です。

耐薬品性

酸やアルカリに対して耐性を持ちます。ただし有機溶剤には弱いので注意が必要です。

デメリット

耐熱性

ABS樹脂の耐熱温度は通常70~100度です。
エンジニアリングプラスチックの中では高温に弱いため注意しましょう。

耐候性に欠ける

直射日光や気候の変化に対して脆弱で、長期間の屋外使用には不向きな場合があります。

ABS樹脂の活用事例

おもちゃ

丈夫で毒性がないので子供達が使っても安心です。
レゴブロックなどのおもちゃに使用されています。

ヘルメット

バイクのヘルメットなど安全に関わる製品で利用されています。
耐衝撃性に優れるほか、加工性が高く塗装性に優れるためこうした用途にピッタリです。

自動車部品

ダッシュボードやハンドルなど、耐衝撃性が求められる部分に使用されます。

家電製品

耐久性が高いのでテレビの筐体やリモコンなど、日常的に使用する家電製品にも広く使われています。

医療機器

耐久性と衛生面から手術用トレイなどの医療機器にも使用されています。
表面が滑らかなため汚れを落としやすく清潔さを保ちやすいというメリットがあります。

まとめ

ABS樹脂について解説しました。
ABS樹脂はその高い耐衝撃性からヘルメットのような安全に関わる製品や日用品の素材として広く利用されています。
また、表面をなめらかに仕上げることが可能なので、掃除がしやすく清潔に保ちやすいというメリットがあり医療分野でも活用されています。

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プラスチック加工の依頼時に役立つ!すぐわかる!プラスチック素材のまとめ