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プラスチック加工素材 ポリアセタール(POM)とは?特性や活用例を解説します

今回紹介するプラスチック加工素材はポリアセタール(POM)です。
高い機械的強度や耐摩耗性といった優れた特性をもっており、ギアやベアリングの素材として広く普及しています。
今回の記事ではこのポリアセタールについて解説します。

ポリアセタール(POM)とは?

ポリアセタールは、1950年台にデュポン社が開発し、1960年ごろから「デルリン」という名称で販売が開始されました。
その特性からギアやベアリングといった部品の素材として広く普及しています。

プラスチックの中では耐熱性が高くエンジニアリングプラスチックの1つに数えられますが、エンジニアリングプラスチックの中では耐熱性が低く燃えやすいので高温下の使用では注意が必要です。

ポリアセタールのメリット・デメリット

メリット

機械的強度

高い引張強度や硬さを併せ持つので機械的な負荷のかかる用途に向いています。

耐摩耗性

摩擦につよいのでギアやベアリングに向いています。

寸法安定性

温度変化により寸法の変化が少ないためズレが発生しにくいです。

耐油、耐薬品性

油や多くの薬剤に対して耐性があるので、幅広い環境で利用できます。

デメリット

紫外線に弱い

紫外線に弱いので屋外など紫外線の強い場所での利用には不適です。

塗装や接着がしづらい

潤滑性が高いので表面加工が難しいです。

活用事例

ギア、ベアリング

POMの特性はギア・ベアリングといった強度の求められる部品に向いています。
自動車や家電、機械部品として広く普及しています。

ファスナー

ファスナーのように擦れたり力の加わる部品にPOMが使われています。

燃料タンク

高い耐油性や耐薬品性をもつのでオイルタンクや燃料ポンプでよく利用されます。

精密機械部品

その丈夫さや寸法安定性などから精密機械の部品として需要があります。
機械ではありませんが、模型の可動部部品に利用されることもあります。

ポリアセタールのリサイクル

ポリアセタールのリサイクルはマテリアルリサイクルが一般的です。
マテリアルリサイクルはリサイクル方法の一種で集めたプラスチックを洗浄・粉砕しペレットにしてから新たなプラスチック製品としてリサイクルします。
使用済みのPOM製品を粉砕してペレットにした後は、再生プラスチックとして加工されますが、POMのような高性能プラスチックは性能維持のため別のプラスチックと混ざらないように細心の注意を払う必要があります

まとめ

ポリアセタールについて解説しました。
主にギアやベアリングで使われているため、なかなか意識する機会のない素材ですが、我々の生活のいたる所で活用されています。
エンジニアリングプラスチックの中では燃えやすい素材なので、使用のさいは温度が上がりすぎないか確認すると良いでしょう。

そのほかのプラスチック素材について知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

プラスチック加工の依頼時に役立つ!すぐわかる!プラスチック素材のまとめ