プラスチック加工でプラスチックどうしをくっつける方法とは?
プラスチック加工で製品を作るときにプラスチックどうしをくっつけて加工することがよくあります。
この時に使う方法はいくつかあり
・プラスチックどうしを溶かしてくっつけるものを「溶着」
・接着剤を塗布してくっつけるものを「接着」
と言います。
このような接合方法について名前なら知っていても、具体的にはどういったものなのか知らない人も多いのではないでしょうか?
今回の記事ではこうしたプラスチックを接合する方法について解説します。
プラスチックどうしをくっつける方法とは?
プラスチックどうしをくっつける方法には大きく分けて
・溶着 ・・・ 接触部を溶かして1つにする
・接着 ・・・ 接着剤をつかう
・溶接 ・・・ 溶接棒や母材を溶かしてくっつける
の3つがあります。
溶着
熱などによってプラスチックどうしの接合部を溶かしてくっつける方法です。
接合部が溶けて混ざり合ってしまうので、接合部分が判別できないくらいきれいに溶着できるほか、分子レベルで接合できるので強度があるのも特徴です。
溶着の方法には、外部から熱を与える方法と内部から熱を与える方法があります。
外部から熱を与える方法は、熱風や電気、赤外線を使い加熱するのに対し、内部から熱を与える方法では振動や超音波を使い発熱させます。
溶着はプラスチックどうしをきれいに接合できるだけでなく、機密性や強度に優れます。
接着
接着剤を使ってプラスチックどうしをくっつける方法です。
のりやボンドを使って工作をしたことがある人ならイメージしやすいと思いますが、接合部に接着剤を塗布して接着します。
プラスチックを接着する場合は接着剤との相性も重要で、相性が悪いと溶けてしまったり、くっつかないこともあるので注意しましょう。
また、溶剤を用いてプラスチックを溶かして溶着する加工を指して接着加工と呼ぶこともあります。
たとえば、アクリルの接着加工では溶剤で溶かしてくっつけることで強度と透明性を両立します。
溶接
溶接はプラスチックを溶かして接合する方法です。
「プラスチックを溶かしてくっつけるんだから溶着と同じなのでは?」と思った人は鋭いです。
じつは接合後に溶融部を確認できるものを「溶接」できないものを「溶着」と呼びます。
プラスチックでできた溶接棒の先端を熱して母材(くっつけたいプラスチックのこと)と母材を溶接します。
強度や機密性にすぐれているのでタンクの加工などでよく利用されます。
その他の方法
・締結 ・・・ ボルトやビスを使い接合する方法
・貼付け ・・・両面テープを使って接合する方法
まとめ
プラスチックどうしを接合させる方法について解説しました。
プラスチック加工ではこのようにプラスチックどうしを接合することがよくあります。
強度を維持したり、きれいに接合したりするには技術や知識が必要となるため、非常に奥深い加工の1つです。
求める強度や機密性、製品のサイズによって適切な方法は変わりますので、この記事などを参考に適切な方法を選んでいただければ幸いです。