プラスチック加工素材 アクリル樹脂とは?特性や活用例
アクリル製品はその透明度の高さから一般にも広く普及しています。ショーウィンドウや日用品、アクリル絵具など利用方法はさまざまです。
皆さんにとっても身近なプラスチック素材であるアクリル樹脂ですが透明性の高さ以外にも多くの優れた性質を持っていることをご存知でしょうか?
今回の記事ではそんなアクリル樹脂について、特性や活用例を解説します。
アクリル樹脂の生産は軍需目的をメインに始まった
アクリルは非常に高い透明性を持つプラスチックでありながら、耐久性もありガラスの代替として使われることが多く、アクリルガラスや有機プラスチックとも呼ばれています。
誕生は古く1934年にドイツで工業化されたと言われています。透明性、耐久性、耐候性の高さから主に戦闘機の風防として利用されました。
アクリル樹脂の特性
メリット
・透明性
高い透明性を持ちます。
・耐候性
紫外線や気候変化で劣化しにくいです。
・加工性
加工性が高く切断、穴あけ、曲げ、接着加工ができます。
コーティングやラミネートにも使えます。
・耐衝撃性
高い耐衝撃性を持ち壊れにくいです。
デメリット
・耐熱性
耐熱性が低く80-100℃程度で溶け始めてしまいます。
また、燃えやすいため温度の高くなる場所での使用には適しません。
・傷つきやすい
耐久性は高い反面、表面に傷がつきやすいです。
傷が想定される仕様ではコーティングによる保護を施すのが一般的です。
アクリル樹脂の活用例
飼育ケース
高い強度と透明性を両立できるので動物園や水族館の飼育ケースや仕切りとしてよく利用されています。
沖縄美ら海水族館の巨大水槽には、なんと厚さ60cmものアクリルガラスが使われています。
什器(じゅうき)・ショーケース
透明なので、お店のディスプレイで使う什器に向いています。
仕切りや展示物を飾るショーケース、飛沫対策のブースなどがあります。
UVレジン
歯科治療や造形で使うUVレジンもアクリル樹脂製です。
紫外線で硬化する性質を持つので形を整えてから、固めることができ自由な造形が可能です。
アクリル絵具
絵を描く時に使われるアクリル絵具も名前の通りアクリル樹脂が使われています。
油絵具のように厚塗りができる特性と水彩絵具のように水洗いができ扱いやすいという特性を兼ね備えています。
まとめ
プラスチック素材の一つであるアクリル樹脂について解説しました。
高い透明性と耐衝撃性、耐候性など非常に扱いやすいプラスチックなので多くの場所で活用されています。
反面、熱には弱いので高温化では別の素材を使う方がいいでしょう。
他のプラスチック素材について興味がある人は以下の記事でまとめているのでこちらも参考にしてみてください。