お知らせ・
技術情報

プラスチック加工素材の性質【耐久性?】について解説します!

プラスチック加工をする時に重要となるものの一つに「プラスチック加工素材選び」があります。  
しかし、プラスチック加工素材にはたくさんの性質があり、しかも素材によって全然違う特性を示すのでプラスチック加工に慣れていない人が最適なプラスチック素材を選ぶのは難しいですよね。
プラスチック素材ごとに全然性質が違うからわかりにくい!」なんてお困り人も多いのではないでしょうか?

今回はそうしたプラスチックの性質の中から代表的なものをピックアップして解説します。

プラスチック加工素材の特性

耐熱性

耐熱性は熱に対する強さに関する性質です
プラスチック加工素材は一般的に熱に弱いとされていますが、耐熱性には素材によって幅がありお湯で柔らかくなってしまう塩ビのようなものから、高温にも耐えられるエンジニアリングプラスチックのようなものまであります。

素材例 ・・・ ナイロン(ポリアミド)、エンジニアリングプラスチック全般

関連記事: 性能が強化された高品質プラスチック加工素材「エンプラ」

難燃性

難燃性は燃えにくさに関する性質です。もし火がついてしまっても難燃性が高いと炎が広がりにくく、場合によっては自然鎮火してしまうこともあります。  
この性質をもつプラスチック加工素材としては塩ビが有名です。塩ビはお湯で柔らかくなってしまうほど耐熱性の低い素材ですが、難燃性が高く燃えにくいです。  
耐熱性と混同しがちなので注意しましょう。

素材例 ・・・ 塩ビ(PVC)、テフロン

耐衝撃性

耐衝撃性は衝撃に対する強さに関する性質です。  
身近なプラスチック加工素材ではポリカーボネートが高い耐衝撃性を備えています。防弾プラスチックや車のバンパー、消防車のタンクなど丈夫さが求められる場面で重要となってくる指標です。

素材例 ・・・ ポリプロピレン、ポリカーボネート

耐候性

耐候性は天候に対する耐性です。屋外でプラスチック加工素材を利用する場合、紫外線や雨、寒暖差などで劣化しやすいです。  
外に置きっぱなしだったプラスチック製品がボロボロに劣化してしまったという経験をお持ちのひとも多いのではないでしょうか。  
ポリカーボネートや塩ビは耐候性に優れており、ポリカーボネートはカーポートの屋根、塩ビは雨どいや配管の素材としてよく利用されています。

素材例 ・・・ 塩ビ、ポリカーボネート

透過性

透明性は光の通りやすさのことで可視光透過性ともいいます
プラスチック加工素材の透明性は結晶性などプラスチック自身の性質だけでなく添加剤などによってもコントロールされます。  
アクリルのように透明性が高いとショーケースのように向こう側の様子もキレイに見えて便利ですが、透明性を低くくすれば日光をさえぎるといった用途に使えます。

素材例 ・・・ アクリル、ポリエチレン

絶縁性

絶縁性は電気の通りにくさです。  
プラスチック加工素材は絶縁性の高いものが多く電源ケーブルの皮膜としてよく利用されています。
電気を通さないので帯電しやすく静電気が発生しやすいですが、それを解決した導電性プラスチックというものもあります。  
電気を通すプラスチックはタッチパネルやモニター用のスクリーンなどで利用されています。

素材例 ・・・ ポリエチレン

耐薬品性

耐薬品性は化学薬品に対する反応のしにくさのことです。
たとえば化学薬品をプラスチック容器に入れて混ぜるといった使い方をする時に、容器と薬品が反応して溶けてしまったりしたら大変です。  
なので使う前にその薬品を入れても大丈夫かを確認するのが重要となります。

素材例 ・・・ 塩ビ、ポリプロピレン ※アルカリ性・酸性など取り扱う薬品による

加工性

加工性は加工のしやすさです。たとえばブロー成形のように空気で膨らませる場合、柔らかすぎたらはじげてしまい逆に硬すぎたらうまく膨らんでくれません。
ちょうどいい硬さであることや曲げ加工、接着・溶接加工のしやすさなどプラスチックの加工性には複数の要因があります。

素材例 ・・・ ポリエチレン、ポリプロピレン

印刷性

印刷性はプラスチック加工素材に印刷するときに重要となります。  
プラスチック加工素材は印字を入れたり、化粧板のようにおしゃれなデザインを入れるという需要も高いです。
プラスチック加工素材には印刷がしやすいものとそうでないものがあるのでプリントによる加工を考えている場合には印刷性も考慮しましょう

まとめ

プラスチック加工素材の性質について解説しました。この記事にある内容を参考にしていただければプラスチック加工素材の特性についてはだいたい把握できると思います。  
しかし、今回ご紹介したプラスチック加工素材の性質は基本的なもので中には、「耐熱塩ビ管」のように添加剤を混ぜたり別の素材と組み合わせることで弱点を克服したものもあります。

このようにプラスチック加工素材選びは奥が深いので、プラスチック加工を依頼のさいは加工業者ともよく相談してよりニーズにマッチした製品を目指しましょう。

以前の記事でプラスチック加工素材についてまとめていますので、よろしければこちらもご覧ください

プラスチック加工の依頼時に役立つ!すぐわかる!プラスチック素材のまとめ