プラスチック加工でよく見る用語、多品種少量生産とは?
プラスチック加工について調べると「多品種少量生産」という言葉をよく見かけます。
実は本ブログでも何度か出てきているキーワードなのですが、「いったいどういったメリットがあるのか」、「なぜプラスチック加工の話題でよく見かけるのか」といった疑問を覚えたかたも多いのではないのでしょうか?
そこで今回の記事ではプラスチック加工における重要キーワードのひとつ「多品種少量生産」について解説したいと思います。
多品種少量生産とは
多品種少量生産とは名前の通り、多くの種類の品目を少量ずつ作ることを言います。
機能やデザインの違う製品を量産しやすいので、現代の多様なニーズへ対応しやすいことから多くの分野でこの生産形態が採用されています。
ペットボトル飲料の容器など大量に消費されるものには向きませんが、ゲームセンターの筐体のようにデザインや機能にこだわっているものの何十万と大量に作る必要のない製品には多品種少量生産の強みを発揮しやすいです。
どんなメリット・デメリットがあるの?
多品種少量生産にはこのようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・多様なニーズに対応して顧客満足度UP! ・デザイン性の高い部品を作れる ・在庫リスクの低下 |
・大量生産に比べるとコスト増加 ・種類が多い分一つひとつの生産効率は落ちる |
なぜプラスチック加工の現場でよく採用されているの?
「多品種少量生産」は以上のようなメリット・デメリットを持っています。
ではなぜプラスチック加工の現場で多く採用されているのでしょうか?
大きく分けて以下のような理由があります。
・プラスチック加工へのニーズが高く、顧客の要望も多種多様なため
・業務用の製品など単価は高いが大量に売れるものではない製品と相性が良い
・金型を必要としないので試作や改良を繰り返してブラッシュアップしやすい
・1個からの量産に対応しているので小ロット生産に向いている。スタートアップのようなスモールスタートから始める事業とも高相性
多彩な種類のパーツを取り揃えることでカスタマイズなど顧客一人ひとりに合わせた製品の提供が可能だったり、フィードバックを反映して素早く製品の改良を重ねていけるため変化の早い現代の市場に適しています。
また、スタートアップのような小さな事業から始める企業とも相性が良いです。
まとめ
プラスチック加工でよく見るキーワード「多品種少量生産」について解説しました。
多品種少量生産で多くの種類の部品を無駄なく用意できればお客様のニーズに合わせたカスタマイズを提供しつつ、在庫を抑えるなんてことも可能です。
個人の好みや個性に合った製品が求められる傾向が続いているため多品種少量生産のもつ強みはこれからますます重要となるでしょう。
また、大量生産をしないので大量廃棄も起こりづらいことから、持続可能性(サスティナブル)やエコといった環境問題への取り組みの観点で注目している企業もあります。