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ブラスチック加工製品のリサイクルの流れ

リサイクルして再利用できるのはプラスチックの強みです。みなさんもゴミの分別でプラスチック製品をリサイクルに出した経験があるかと思います。
しかし、集められたプラスチックたちはどのようにリサイクルされているのかご存じの人は意外と少ないのではないでしょうか?

今回の記事ではプラスチックリサイクルについて、リサイクルする理由やリサイクルの種類についてご紹介します。

そもそもなぜリサイクルをするのか

そもそもなぜリサイクルが必要なのでしょうか?それにはさまざまな理由があります。

・持続可能な社会のため限りある資源の有効活用
・ゴミを減らせば埋立地も減らせる
・ゴミが資源に変わる
・二酸化炭素や海洋プラスチックを減らせる

環境負荷を減らしたり、埋立処分を減らすことで持続可能な社会を実現できます
もし、リサイクルなどせずに天然資源を湯水のように消費したり、埋立地にゴミを撒き散らしてしまうと今はいいかもしれませんが10年20年後や私たちの子や孫の世代の生活がどんどん苦しくなっていまいます。
そうした事態を防ぐために今からエコな社会を実現していくことが大切です。
その点、皆さんの気持ち次第で、プラスチック製品はリサイクルしやすいものとなります。

リサイクルの流れ

分別・回収

家庭や産業廃棄物としてでた廃プラスチックを分別して回収します。
実は廃プラスチックは家庭ゴミから出るものも多く46%を占めているのをご存知でしょうか。
家庭で使うものの多くはプラスチックで包装されており、そうしたプラゴミが積もり積もって大きな量になっています。
ですので家庭ゴミの分別もリサイクルでは重要です。

選別

回収された廃プラスチックは自治体の処理場で汚れや種類によって分別されます。
家庭ゴミとして収集された廃プラスチックの中には箸やカミソリ、金属類などが混じっていたり、汚れがひどいものがあったりしますが、そうしたものがあるとリサイクルに影響が出てしまうため取り除きます。
こうして選別された廃プラスチックがリサイクルの材料となります。

それぞれのリサイクルセンターへ

集められた廃プラスチックによってリサイクルの方法が変わります。
おもなリサイクルにはマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルがあります。
以下をご覧ください。

プラスチックリサイクルの種類

マテリアルリサイクル

廃プラスチックを溶かすなどして再びプラスチック製品として再生するのがマテリアルリサイクルです。
また、PETボトルゴミからPETボトルを生み出すような同じ製品として再利用するのを「水平リサイクル」、PETボトルゴミを原料にパレット、衣類などの別の製品として再利用するのを「カスケードリサイクル」いいます。
廃プラスチックが汚れているとリサイクル製品の品質が低下してしまうため、リサイクル前に洗うなどしてきれいな状態にしておく必要があります。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは廃プラスチックに化学的な処理を施して分解し、再利用する方法です。
分解されたプラスチックはガスや油、原料・モノマーといった状態にまで戻され、再びプラスチック製品として再生されたり、水素やアンモニア、石油などの原料として再利用されます。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルはプラスチックを燃料として燃やし、エネルギーを熱回収する方法です。
簡単にいえば燃やして発電の燃料にしてしまうことです。
プラスチックは石油が原料なのでよく燃えるためこうしたリサイクルと相性がいいです。
しかし、二酸化炭素を排出してしまうことや資源として再利用できないことから欧米などではリサイクルに含まず、「熱回収」や「エネルギー回収」として扱われます。
日本はリサイクル率が86%と世界でも非常に高水準ですが、サーマルリサイクルが6割ほどを占めています

まとめ

その中にはプラスチック加工製品は身近にあり、非常に多くの製品が存在しますが、他の素材と違い、プラスチック加工製品はリサイクルしやすいものです。持続可能な社会の実現のためにプラスチックのリサイクルは非常に重要です。限りある資源を有効利用できるほか、CO2排出削減や海洋プラスチックの減少といった環境問題の解決にも繋がります。
環境問題への取り組みの姿勢としてReduce(ゴミをへらす)、Reuse(繰り返し使う)、Recycle(リサイクル)の頭文字をとった3Rというものがあります。
リサイクルだけでなく物を長く大切に使うことでもプラスチックゴミを減らすことができるので、身近なプラスチック製品を大事にしたり、使い捨てでないしっかりとした製品を利用すると良いでしょう。