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プラスチック加工素材ポリカーボネート樹脂(PC、ポリカ)とは?~ポリカーボネートの特性や活用事例~

プラスチック加工素材ポリカーボネート樹脂(PC、ポリカ)とは

 

プラスチック加工で使用されるポリカーボネートはドイツのバイエル社が開発したプラスチック樹脂でエンジニアリングプラスチックの1つ、日本では1960年から帝人によって量産化されています。
透明度が高く非常に丈夫な素材なので防弾ガラスや車のヘッドライトのように強い衝撃が想定される用途で広く需要があります
優れた特性をもちますが、個人では加工が難しいためDIYではポリカーボネート板や波板、中空板のまま利用することが多いです。

有機ガラスとも呼ばれている

ポリカーボネートやアクリルは透明性が高くガラスの代用となるので「有機ガラス」と呼ばれることがあります。
有機ガラスはガラスに比べて

  • 軽い
  • 割れにくい
  • 着色しやすい

といった特徴があります。

プラスチック加工素材ポリカーボネートの特性

長所

  ポリカーボネートの長所
耐衝撃性 非常に高い耐衝撃性を持ちます。防弾素材として使われるほか、
自動車のヘッドライトや高速道路の防音壁といった強い衝撃が想定される用途で広く使われています。
透明性 ガラスやアクリルにはわずかに劣るものの高い透明性を持ちます。
透明性と丈夫さを併せ持つので防弾ガラスやライオットシールドの素材として利用されています。
耐熱性 耐熱性が高く120℃~130℃くらいまでの耐性をもちます。
これは樹脂素材の中では高い耐熱性です。
難燃性 ポリカーボネートは難燃性を持つため万が一火がついてもあまり燃え広がらず消火のしやすい素材です。
寸法安定性 プラスチック加工製品は成形後に縮んでしまうことも多いですが、
ポリカーボネートは成形後の収縮があまりなく安定しています。

短所

  ポリカーボネートの短所
傷がつきやすい 傷つきやすくブラシでこすっただけでも表面に影響の出る可能性があります。
透明性が求められる用途の場合、扱いに注意が必要です。
汚れやすい 加水分解しやすいので高温高湿度の環境や雨には注意が必要です。
耐薬品性 アルコールやアルカリ性溶液に弱く、変形やひび割れの原因となります。

ポリカーボネートの加工性について

ポリカーボネートは射出成形や押出成形、ブロー成形などに対応しているほか、FDM(熱溶解積層方式)タイプの3Dプリンターでつかうフィラメントの原料としても利用されており、柔軟にカタチを変えられる素材です。

一方で薬品耐性が低く接着加工に向かなかったり、専門の加工会社でないと曲げ加工が難しい素材でもあります。
また、高い耐衝撃性をもつものの傷つきやすいので切削加工のときは欠けないように注意するほか、熱を持ちやすいので溶けないように温度管理をする必要があります。

このような特性のため、DIYで利用する場合は屋根や看板のようにポリカーボネート板や波板、中空板をそのまま利用できる用途で使うことが多いです。

主な用途

1.防弾ガラス

高い透明度と耐衝撃性を持つため防弾ガラスとしてよく利用されています。
宝石や時計のようなお客様に展示したいけど高価でセキュリティが重要な商品のショーケースとして活躍しています。

2.武器防具

警察が使うライオットシールドトンファーバトン、軍隊で使う防弾バイザーとして使われています。
軽くて丈夫、しかも透明性が高いので武器や防具としても高い性能を発揮します。

3.スマートフォンケース

軽くて丈夫なのでスマートフォンケースとしてシリコンと並ぶ人気があります。
全面印刷もできるのでおしゃれなハードケースとして販売されている製品も多いです。  
過去にはiPhone本体のボディに採用されたこともありました。

4.自動車部品

自動車のヘッドライトのように強い衝撃が想定される用途で利用されています。
透明で影ができにくいので高速道路の防音壁でも高い需要を誇ります。

5.レンズ

メガネのレンズやデジタルカメラのレンズとして採用されています。
ポリカーボネートは形状が安定しているのでレンズのように高精度を求められる部品に適しています

ほかの素材との比較

アクリル樹脂

アクリルは高い透明性をもつのでポリカーボネートと同じくショーケースなどでよく利用されています。
透明度や加工性ではアクリルの方が勝る面も多いですが、丈夫さや燃えにくさではポリカーボネートの方が優れています。
ポリカーボネートの耐衝撃性はアクリルの30~50倍ほどあり、ハンマーで叩いても割れないくらい頑丈です。

ガラス

ガラスに比べると透明度や耐候性で劣るものの、UVカット率や丈夫さではポリカーボネートが優れています。
またガラスに比べて軽いので持ち運びしやすいです。

まとめ

プラスチック加工で使用されるポリカーボネートは防弾素材として有名なのでエンジニアリングプラスチック中でもよく知られているプラスチック樹脂です。
防弾性や透明性、難燃性など日常的な用途に適した性質を多くもつため、わたしたちの身近なところでもよく見かける素材と言えるでしょう。
今回はご紹介できませんでしたが、看板やラジコン・ミニ四駆のボディ、スーツケースの素材としても広く需要があります。